自転車購入記〜初めてのスポーツ自転車
―素人的サプライズを交えて―

 さて、自転車を買うとして、せっかく買うのだから乗らなくなっても勿体無いし、どうせなら趣味として続けてみたい。ということで、ママチャリに毛の生えたような重たいスポーティ車や、格好だけ良くて走らないMTBルック車ではなく、多少値は張ってもきちんとしたスポーツ車を買おう!と決意し、近所の自転車専門店を検索。自転車系の雑誌広告やネット検索で探してみた結果、姫路にサイクルショップTOMATOというスポーツ自転車の専門店を見つけました。HPを見ると色々と自転車について奥の深い文章が並んでいて、ちょっと素人がいきなり入店することに気後れしていましたが、自転車に向う真摯な姿勢も伝わってくるし、購入するならアフターも考えて、詳しい専門店がいいだろう…と足を運んでみることに。
 約一年前から今の店舗に移ってリニューアルオープンしたショップTOMATO。さすがに新しく、外観も綺麗な店舗です。管理人の自宅からは約14km離れていますが、実は本籍地(いわゆる「本家」)からはかなりの近所だったりします。自転車を購入して、そのまま乗って帰るなら、バス等の公共交通機関で行くのがベストでしょうが、まだ購入の意志も完全に固まっていたわけではなく、とにもかくにも知らないことだらけなので、まずは何よりお店の人の話を聞いてみないと…と、クルマ(Kei)で出かけました。
 意を決して入店してみると、それっぽい(笑)自転車がずらりと並び、パーツ類や装備品なども多数展示されていました。TREKというメーカーの、国内初のコンセプトショップということで、同メーカーのロードバイクやMTBが中心に並べられていましたが、どれがどうなのやら、さっぱりです(^^;ゞ 「ふぅ〜む…」などと意味も無くつぶやきながら、とりあえず値段をチラ見しつつ(笑)並んでいる自転車を順に眺めていると、店長らしき方が声を掛けてきました。
 HPで確認したところ、オーナーの池内さんという方でしたが、まずは「どういったものをお探しですか?」と。やっぱり、そうきますよね(^^; どういったものもなにも、サッパリ分からないのだということと、とりあえずの購入動機などを話すと、一台の自転車を薦められました。それがGARYFISHER(ゲーリーフィッシャー)Utopia (ユートピア)というモデル。ロードバイクとマウンテンバイク(MTB)の良いトコ取りをした、いわゆるクロスバイク(メーカーの呼称ではDualSport)と言われるジャンルの車で、使い勝手を明確に決められていない初心者にはピッタリなジャンルかもしれません。
 よく考えると、Keiも軽のSUVというコンセプトに惚れて購入し、前に乗っていた単車・トリッカーも、オフ寄りのタイヤを履くストリートバイク。こういうコンセプトの車は、自分にとってもツボなのかもしれません。しかしオンもオフも走行可能!と言えば聞こえはいいですが、裏を返せば中途半端なジャンルということで、それぞれの専用車には敵わないということ。コアなスポーツ自転車乗りには批判の対象にもなっていると聞いたのでちょっと悩みましたが、かと言ってロードモデルやMTBで特別欲しい物も無し。とりあえずクロスバイクで検討してみることにしました。
 それにしても、このUtopiaというモデル、11,5000円もします。スポーツバイクは高価な物だと覚悟していたものの、自分の中で想定していた予算は10万円までで、クロスバイクというジャンルの中では高級モデルに属するこの価格。どうしたものかと、オーナーに顔は向けながらも、瞳はもう少し安いモデルを探して店内を泳ぐ始末です。6〜7万円くらいのモデルを探し当てて、「こっちのモデルは…?」などと、さり気なくUtopiaから話を逸らそうとすると、「これはママチャリに毛の生えたようなものですよ。それに比べて、こっち(Utopia)なら…」と、Utopiaの魅力を語り続けるオーナー。あ゛〜…どうしよう。でも6〜7万でも充分高いし、せっかく買うならここでケチって結局無駄になっても馬鹿らしい。ということで意を決し、Utopia購入を中心に検討してみることにしました。
 買うとなると、性能云々はそもそもよく分からないので、専門店スタッフの言葉と、メーカーの価格設定を信じるしかありません。素人が購入する決め手といったら、後はやっぱり、“見た目の好み”だけでしょう(笑) まず、外見で重要な「車体色」は、シルバーの設定一色でした。銀/黒を基調に、少しだけ赤が入っているような配色。赤が青ならもっと良かったんですが(笑)銀/黒のモノトーンも好きだし、概ね満足です。全体的なフレーム形状や、細かい部分の派手過ぎないロゴデザインなどもなかなか良し。その他、外見的だけでなく性能にも直結しますが、ディスクブレーキがカッコイイ!そもそもモンキーのブレーキは前後ドラムで、Keiですら後輪はドラムブレーキだというのに、それを差し置いて自転車が前後ディスクブレーキってアンタ!
 さて、外見も気に入ったところで、いよいよ覚悟を決めて購入です。このショップでは、「買います」となっても「ハイそうですか」と商品を渡してくれるのではなく、買うとなったら、その人の体型にあった自転車の調整から取り扱いの実技説明までしてくれて、ようやく引渡しとなります。普通の自転車と取り扱いで違うところも多く、詳しく実地で説明して頂けるのはありがたい限りですが、私にしてみれば突然スポーツ自転車教習所にでも入所させられたような気分で、ちょっと緊張気味。しかもその説明の中で、全く知らなかったスポーツ自転車の知識に初めて触れ、無知も手伝って様々なサプライズが待っていたのでした。
 先ず最初に、私の体型に合わせてサドルの高さを調節してもらったんですが、サドルに腰掛けようと思ったら、「この台に乗ってまたがって下さい」と、木製の踏み台を渡されました。「??」と思ってよく聞くと、脚はペダルが一番下まで降りた時点(下死点)で膝にほんの少しだけ余裕がある程度の高さが、最も効率良くペダリングできる位置なのだそうで、要するにサドルに腰を下ろした状態では足は地面に着かないのが基本なのだそうです。し…知らなかった(^^;
 ちなみにペダルを踏む位置も、土踏まずを中心に足の裏全体で踏むのではなく、親指の付け根の位置(拇指球)がペダルの軸と重なるように踏むのだとか。
 身長を訊かれたので告げると、身長のわりに脚が長いので、今まで本当に自分に合った自転車に乗ったことは無かったんだろうと言われました。ちょっとイイ気分(笑) しかしまぁ、合わせてもらったサドル位置は本当に高いです。後から測ってみると、地面からの高さは1mを超えていました。足つきが悪いと評判の、オフロードバイクの一般的なシート高をはるかに超えています。そりゃ足は着かんわな(^^;
 またがった状態で足が地面に着かないような乗り物に、どうやって乗り降りするのか?と思っていたら、サドル調節の後で、実際に乗り降りの練習や、店周辺を軽く走ってみてギアチェンジの練習もさせてくれました。先ず最初に乗り込む際には、サドルに座らずに、前方のフレームをまたぐようにして位置に着き、そこからペダルを踏んで漕ぎ出しながらサドルに乗り込むのだそうです。降りる時も同様に、フレームをまたいだ状態になってから降りることに。信号待ちなどでも座ったままで足が着かないので、この「フレームをまたいだ状態」が基本になるということ。う〜ん…慣れるまでこの高さは微妙に怖いかも。
 次にレクチャーを受けたのは、車輪の外し方。殆どのスポーツ自転車のホイールはクイックレバーというものでフレームに固定されていて、工具無しで簡単に脱着できるようになっているそうです。簡単に、といってもコツがあるようで、何度か練習させてもらいましたが、慣れるまで時間がかかりました。でも車輪がすぐに外せるなら、Keiにも積んで帰れそう。購入しても後日改めて受け取りに来るか、配送してもらわないといけないかな?と思っていましたが、ひと安心です。
 更にはメンテナンス用のスタンドの脱着方法も伝授してもらいました。なんとスポーツ車は基本的に普通の自転車についているようなスタンドは着けないのだそうで、自宅で駐輪する際にも別途スタンドが必要なのだとか。特に私の買った自転車はディスクブレーキなので、一般的なスタンドを装着しようとしてもなかなか着かないとのこと。スポーツ自転車乗りの人には常識的なことなんでしょうが、知らない者にとっては、これもサプライズでした。
じゃぁ普段、外出時に駐輪する際にはどうやって自転車を停めたらいいのか?と訊くと、適当な壁にもたせかけて停めるのだということ。どうせスタンドを着けても軽い車体で倒れやすいので、壁が無ければ最初から倒して置くのも手だ、と言われました。そ…そうなのかッ?!
 そんな壁なんて無い場所も多いだろうし、気軽に駐輪できないということは「気軽に駅前まで…」という、そもそもの購入動機と矛盾している気がするのですが、もう後戻りはできません。
 その他、チェーン注油の仕方等々…ひと通りレクチャーが済んでからは、オプション装備品の選定に。とりあえず前述のメンテナンススタンドは必須だとして、他に必要なものも優先順位をつけて、店員さんが説明して下さいました。真っ先に必要だと言われたのは、空気入れのポンプ。一般的なママチャリは英式バルブですが、他に米式や仏式のバルブというものがあって、スポーツ車は大半がこの仏式というバルブ形状を採用しているとのことで、要するに普通の空気入れは使えないということです。更にスポーツ車は高圧タイヤで、空気圧管理が重要な為、エアゲージ(空気圧計測メーター)の付いているポンプが良いのだとか。こいつは買わざるを得ませんね。安めのプラスチッキー(笑)なポンプもありましたが、高圧に対する耐久性を考えて、少し値段の張るものに。色は車体色に合わせてシルバーを購入しました(まぁポンプの色なんてぶっちゃけどうでもいいんですが)。勿論、例によって購入時には実際に空気を入れてみる実技レクチャー有りw
 次に購入したのがサイクルコンピュータ。スピードメーター機能や走行距離、走行時間などが分かって、着いていると走っている時に励みになるのだとか。ワイヤレスの物が煩わしい配線が無くてスッキリするというので、値段は張りますがワイヤレスを購入。あ゛あ゛あ゛…車両本体価格だけでも高価なのに、次々とオプション料金が加算されていく…。 更に、単車にも着けていたくらいなのだから運動する自転車には必須でしょう!ということでボトルケージ(ドリンクホルダー)も装着。シルバーのものが車体色と微妙に違っていたので、黒にしました(だから色はどうでもいいって)。よく見ると、鳥塚君に着けてたヤツと同じもので、なんだか懐かしい気分に。
 ボトルゲージを購入したら、オマケで(?)ショップのオリジナルロゴ入りのボトルをつけてくれました。普通に500mlペットボトルでも挟もうかと思っていたのですが、自販機で買っても普通は自転車用のボトルに中身を移し変えて使うものなのだそうです。
 他にも車両購入時には…と、アーレンキー(六角レンチ)3本、試乗の時に使った、ズボンの裾留めバンド、盗難防止用のワイヤーロック、足をペダルに固定するためのトゥークリップなども無料で付けてもらいました。トゥークリップは慣れないうちはペダルから足が離せず危険だというので、車両には装着せず、お持ち帰りに。
これは確かに慣れないと怖いアイテムですね(^^; ライトなどは、当面夜は乗らないという事で購入しませんでしたが、ライトを着けないのなら、と前後のリフレクターも付けて頂きました。ちなみに夜間走行時にはライトの点灯が法的に義務付けられているということで、リフレクターでは本当は不十分なのだそうです。
 などと、なんだかんだ購入しているうちに、最終的な合計の支払い金額が14万円ほどに。うぅっ…イタイ出費。でもまぁ、原付を買うよりは安上がり…のはず(スズキのチョイノリとか、ホンダのTodayとかを除けば)。バイクと違って、放って置いてもバッテリーが上がる心配も無いし、気は楽かも。
 いざ購入して、持ち帰りは、前後の車輪を外せばどうにかKeiに積み込むことができました。積み込み前には、店頭で早速ホイール着脱の実習みたいな感じになってました(^^;
 なにはともあれ、せっかく購入したクロスバイク。帰宅後のホイール装着もどうにか一人でこなせたし(笑)、これから大事に乗ってやりまっしょい!


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