我が街〜阿弥陀町紀行

私が生まれてこの方、二十ピー年間住んでいるのは、兵庫県の高砂市という街です。
高砂市といえば国際文化遺産を擁する姫路市に隣接しているわりにマイナーな結婚式に謡われる謡曲「高砂」で有名な街ですが、残念ながら謡われているような美しい白浜は既に無く、現在では臨海部は工場排水垂れ流しの汚濁工業都市として栄えています。
また平和と長寿の象徴である「尉と姥」のいわれの発祥の地であることからブライダル都市宣言をしていますがもう少しネーミングをひねって欲しいものです。「尉と姥」は認めたくありませんがそのまま広く高砂市のマスコットとして使われており、「じょうとうば」をもじった「じょうとんバス」というコミュニティーバスまで走っていますが頼むからもう少しひねって下さい
他にはNHK大河ドラマで井上雄彦氏の漫画で盛り上がっている「宮本武蔵」が生誕した土地であると言い張っているのでも有名です。

※じょうとんば↑

さて、そんなひねりの無い魅力的なブライダル都市・高砂市ですが、いくら地方の田舎都市とはいえ1ページで紹介しきるのはさすがに無理があるので、ここでは市内で特にツッコミどころの多い私の生まれ育った阿弥陀町を中心に紹介させて頂きます。

阿弥陀町は高砂市の最も北に位置する街で、市内では東西に異常に長いのが特徴です。
というか、ぶっちゃけ市の北辺は東西に渡って全部阿弥陀町ですけど。

↑時光寺
「南無阿弥陀仏」の阿弥陀と書きますが、特に仏教徒が多いわけでも何でもありません。海岸線が現在より北へ迫っていた昔、海中より阿弥陀如来像が引き上げられ、建長元年(1249)時光上人の信願により件の像を本尊として一堂を創建したのが名前の由来だと言われています。そのお堂は現在も「時光寺」として阿弥陀如来を祀り続けていますが、実はこの寺は阿弥陀町ではなく、時光寺町という阿弥陀の隣町に位置しており、なんだか矛盾しているような、町民としてやるせないような、でもどっちでもいいような気分にさせられます。
ちなみに町内にある唯一の電車の駅はJRの「曽根駅」ですが、これも同じ市内に「曽根町」という町があり、何故阿弥陀町にあるのに阿弥陀駅ではなく曽根駅なのか?と物議をかもしていません。(蛇足ですが曽根町には山陽電鉄の「曽根駅」なる駅が存在し、更にハナシをややこしくさせています)。このJR曽根駅は何故か線路がカーブしている途中にホームがあり、電車が傾いて停車するため「床に置いていた空き缶が転がる」など地元利用者には概ね不評ですが、「カーブで減速した列車をベストアングルでホームから撮影できる」と、ごく一部の鉄道マニアから熱い支持を集めています。
そんな阿弥陀町にある小学校は当然「阿弥陀小学校」ですが、名前故に修学旅行先で児童が仏教系の学校に間違えられるなどの被害が後を絶ちません。創立以来百数十年が経っている由緒ある学校で、校歌はこんな感じです。
1.神の御代(みよ)よりそそり立ち 永久(とわ)に動かぬ高御位(たかみくら)
  朝な夕なに仰ぎつつ 学びの道に勤(いそ)しまん

2.ときわの松の葉隠れに はるかに見ゆる曾根の宮
  菅家(かんけ)の徳をしのびつつ 至誠(まこと)の道に進まなん
…すみません、小学生には読解不能です。

ちなみに同町内の中学校は阿弥陀中ではなく鹿島中学校です。
鹿島中学校の名前の由来となったのは、町北部にある「鹿島神社」です。普段は参拝者も比較的少なく、駐車場も無料開放されていますが、初詣時期だけ異常に混雑し、駐車料金も一気に五百円に跳ね上がるという、有名なのかマイナーなのか理解不能な神社で、更に理解不能なことに参道の手前にはチタン製の巨大な鳥居が屹立しています。高さは26メートルもあり、意味不明なばかりかお賽銭の無駄遣い概要を説明した碑が誇らしげに設置してあります。
参道には名物の柏餅屋が立ち並び、初詣時期だけ値段が倍ほどになるタコヤキと違って常に良心的な値段で販売されています。
←鹿島神社の本殿は、こんな感じです。参道と違って特に突っ込みどころの無い至って普通のお宮なので、素直に参拝して帰りましょう。私は大学受験に失敗して以来お参りに行っていませんが。

本殿の向かいには「鹿島殿」→という結婚式場があり、神式のはずですが佇まいは洋風です。狭い参道を上った所にあるため、車では非常に不便な気がしますが、さすがブライダル都市といったところでしょうか。
鹿島神社参道の手前には、自動車の交通安全祈祷のための成田山不動尊があります。お祓いしてもらった自動車が帰り道で事故るなど非常に霊験あらたかです。
その奥には同市の施設にしては非常に整備された「市ノ池公園」という公園があり、休みの日をお金をかけずに愉しむにはもってこいです。公園から先述の巨大チタン鳥居もバッチリ拝めます。
ただ市ノ池でバス釣りをすると叱られますので、向かいの竿池をオススメします。対岸は水上ゴルフ場ですが。
町内の神社といえば、更にツッコミどころの多いのが町の南東部に位置する「生石神社」です。ちなみに「生石」は「なまいし」ではなく「おうしこ」と読みます。
鹿島神社と違い、駐車場は年中無料開放ですが、地面は未舗装です。ちなみに注意書きには日没と共に閉鎖するなどと非常にアバウトなことが書いてありますので、日没の早い冬場にはくれぐれも御用心下さい。
生石神社は別名「石の宝殿」と呼ばれ、高さ5.7メートル、幅6.4メートル、奥行7.2メートルの巨大な石造物が三方を岩壁に囲まれた形で祀られています。それだけではタダのデカい石ですが、実はその巨石が何故か宮内の池中に沈むことなく浮いているという謎めいた点が最大のウリで、宮城県の「塩釜」や宮崎県の「天の逆鉾」と並んで有名な日本三奇のひとつに数えられているほどです。塩釜とか天の逆鉾なんて調べてみるまで全然知りませんでしたが。
更に池中の水は霊水で、「如何なる早魃にも渇することがない」とされていますが、さすがにそこまで言われると胡散臭いです。
拝観料は、大人百円・小人五十円です。平日は受付に人が居ることが稀で、地元の小学生は石室横の隙間から堂々と入って遊んだりしていますが、分別のある大人はきちんと百円払いましょう。
百円払って中へ入ると、極めて間近で巨石を見ることができますが、池の水霊水は結構濁っていて、本当に浮いているのか水中で支柱に支えられているのかは確認困難です。さすが霊水です。
というか水面に影ができている辺り、水面に浮かんでいるというよりは空中に浮かんでいるように見えるのですが、気のせいでしょうか。

そんなこんなで魅力的(?)な阿弥陀町。皆さんも暇で仕方がないなら一度訪れてみては如何でしょうか。
じょうとんバスなら何処まで乗っても運賃が一律百円と、大変お得になっていますが、本数が非常に少ないので使えない事前に運行状況を確かめて利用しましょう。
電車ですと、鹿島中学校神社へのアクセスは先述のJR曽根駅が最寄り駅になりますが、生石神社(石の宝殿)へは一つ東のJR宝殿駅からが便利です。
ちなみに宝殿駅はもちろん阿弥陀町内の「石の宝殿」から採ったネーミングですが、駅自体は例によって隣町に位置したりします。さすがブライダル都市・高砂市です。

←詳しくは、こちらの地図を御参照下さい。


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